「そ…そうなんだ…」
「まじちょー泣いたからね。あたしって男いなきゃダメなんだよね〜あはっ!つか降りるわ〜」
ワカメちゃんは嵐のように去っていった。
私の手に握られた携帯には「女として終わったと思う瞬間」スレが表示されていた。
カオリは男をおだててうまく生きていくいわゆる小悪魔タイプ
ワカメちゃんは直球で行くタイプ
脱喪のために何かしなければならないとしてもこの2つだけは無理だ…
私も実は小学校時代は美人とか言われてたことがある。
私は美少女カオリといつも一緒にいた。
カオリに気に入られたい男子は、カオリの友達である私にも優しくしてきた。
今思えば、そういうことなのである。
カオリは「カオリちゃん」って呼ばれるのに、私は「早川さん」。
この呼び方の違いがすべてを物語る。自分の下の名前なんて、忘れてしまったよ。
翌朝、またカオリの周りには人だかり。だがいつもと様子が違うようだ。
カオリは、泣いていた。
「カオリを振る男なんて最低だから!」「カオリちゃんが泣くと俺らもつらいよ…今日はみんなで奢るから飲み行こう」
可愛いだけであんなにも気を使ってもらえるんです。
私が講義中、ずっと下痢ですごい腹痛で泡ふいて倒れかけたとき、心配してくれた人なんていなかったのに。
カオリは不倫してた。穴子とかいうオヤジと。
何やら月に2〜3回会えば10万円貰えるという、いわゆるパパってやつ。
穴子って人もバカだけど、不倫なんかするカオリもバカじゃん。
続き
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