～後日談～

やあ（´・ω・｀）君も好奇心旺盛だね。こんな汚い男の不幸な身の上話が聞きたいなんて。
この海鮮丼はサービスだから、まず食べて落ち着いて欲しい。
あれからの事かい・・・？
フッ―お察しの通りさ。あんな事があって、俺が磯野家に居座れるわけないだろう？
うん、なんで俺が磯野家を出る事になったかっていうのはね、タラちゃんと
ワカメちゃんにはごまかしてあるよ。正直に話しても、タラちゃんはまず理解できないと思うし、
ワカメちゃんは一生忘れられない程のショックを受けるだろうからね。
本当は子供には皆―カツオ君にも内緒にしておきたかったけれど、
彼はもう真実を見ちゃったからね。可哀相なことをしたよ・・・。いくらやんちゃで天真爛漫な
カツオ君でも、こんな事があったら人間が信じられなくなるかもしれないね。
今俺が暮らしているのは、家賃3万円弱のワンルーム。もう築20年近いボロアパートだ。
所は大阪。つまり地元に帰ってきたということ。
海山商事？
辞めたよ、あんな会社。
穴子・・・もうあの一夜で勘弁してくれたと思っていたのに、奴はパソコンに写真を保存しているから、
またプリントアウトしてばらまいてもいいなどと馬鹿の一つ覚えみたいな脅しをかけてきて、
延々と関係を持つように迫ってきやがった。
俺は言ってやったよ。
「ああ、ご自由にどうぞ」ってな。
穴子の奴、驚いてたな。その日、俺は辞表を出した。
今は、コンビニやファミレスなどでのバイトを掛け持ちしてなんとか生活してるって感じ。
ホストにでもなった方が良いかと思ったけれど、さすがにこの年でこのルックスじゃ
たいした稼ぎも得られないだろう・・・。
離婚？着々と準備が進んでいるよ。まだ籍は抜いていないけど。
向こうは弁護士を用意して取れるだけ慰謝料ふんだくってやろうとしてるらしいぜ（笑）
貯金があるのが唯一の救いかな。
養育費とかも今後取られるみたいだし、よく考えてみたらなんで海山商事やめたんだろうな、俺。
まぁそれも人生さ。自暴自棄っていうの。正直あの穴子と同じ空気を吸いながら
一生働き続けると思うと虫唾が走るしね。
あと、サザエは以前勤めていた出版社でまた働き始めようとしていて、
自立した大人の女性（笑）を目指しているんだとさ。

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