鰹「あ…義兄上…、何故拙者なぞを助けた?」
鱒夫「…今、この世田谷は病み荒んでおる。若き者は『ふぁっしょん』然り『すいいつ』然り、侍たる自覚、塵程も有らぬ。 女子も然りじゃ。あの麗しく優しく在った栄螺も家が財に目が眩み、あのやうな乱心を…。

其は、世を変える。天下に覇を唱える!」

鰹「…!!(お…大きい…!今、拙者は猛き龍の咆哮を垣間見た…!)」

鱒夫「…既に波野の頭首、海苔介は抱き込んでおる。
鰹よ、ついて参れ。
共にこの世田谷の空、我らが色に染め上げん!!」

鰹「…義兄上!…否、殿!!
この磯野鰹の天命、殿に捧げまする!!」

鱒夫「征くぞ!目下の敵は磯野家頭首、磯野波平よ!上野の桜、咲く頃迄には奴を討つ!」

鰹「御意!!」



遂に旗を掲げた鱒夫。復讐の鬼と化した栄螺と若布。未だ沈黙を守る頭首、波平。裏切りの士、中島。静かに微笑む花子奴。
そして、鰹。

今、世田谷の空に、暗雲が立ち込める…!



第一部、「天」の巻、完。


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