「ソーリィ…お二人とも」

タマは愉快そうに笑い、同じく笑っているタラオからピストルを受け取った。

「『敵をあざむくにはまず味方から』っていう言葉、ご存知ですか?」

「タマ!やめろ!」
「許さんぞ貴様!」

タマはリボルバーをくるくるともてあそび、その銃口を、突きつけた。

「ねえ、タラオさん?」

タマにピストルを渡し丸腰になった、タラオの、こめかみに。

「うん、知ってるよ…」

しかしタラオは口元の笑みを崩さず、余裕の表情で頷いた。
タマは歯を食いしばり、引き金に手をかける。

イクオとワカメは、その様子を固唾をのんで見つめた。

「やっぱりねえ…タマ。俺は初めからキミのこと、信用していなかったよ…
じゃあキミたちは、こんな言葉知ってるかなあ…」

イクオの言葉を待っていたかのように、入り口のドアが勢いよく開いた。


「『二重スパイ』」


(未完結)


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