「変わり身の術か。やるな。…!しまった!」
フネが慌ててシンクに目をやると、今まさにカツオがから揚げに手を伸ばしていた。
「貰った!」
カツオが勝ち誇ったように笑う。
「させるか!」
フネは菜ばしをカツオ目掛けて投げた。
狙い通りカツオの指に当たり、から揚げが空へと舞い上がる。
「くそっ、まだ俺は諦めないぜ!」
カツオがから揚げ目掛けて、横っ飛びした。
フネも、ほぼ同時にジャンプする。一寸早く、カツオの指が
から揚げに届こうとしていた。フネは懐から、菜ばしを取り出す。
フネの菜ばしが、カツオの指よりも早くから揚げに届こうとしていた
まさにその瞬間、二人の間を白い何かが横切った。
「タマだ!」
タマは口にから揚げを銜えるとキャット空中三回転を決め、床に着地した。
「くそっ!」
カツオが悔しさのあまり、こぶしで床を叩いた。
フネも乱れた髪を手グシで整えながら、タマを鋭い眼光で見据えた。
「ふっ…俺の存在を忘れるとは、フネもまだまだだな。」
タマはニヤリと笑うと、から揚げを貪り始めたのであった。
(以下、投稿なし。完結と思われる)
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