最後に、伝えなければならないこと。
ワカメ、あなたのことです。
ワカメ。
母さんはあなたには一生をかけて償うことが出来ず、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
本当に本当にごめんなさい。
ワカメ、あなたは父さんと母さんの子じゃないの。
伊佐坂先生と母さんとの間にできた子供なの。
母さんは、本当は伊佐坂先生が好きだったわ。
でもそれは叶わない恋だった。
親友のお軽ちゃんの大切な人だったから。
だけど、お軽ちゃんの子育てが一段落した頃、母さんは伊佐坂先生と一夜の契りを交わしました。
そのときに授かったのがワカメ、あなたですよ。
伊佐坂先生もあなたのことを知っています。
母さんも伊佐坂先生も愛し合ってあなたは生まれ――――――――――





そこで手紙を読むのをやめた。
…この家には…最初から何もなかったんだわ…。
壊れたなんて感傷的になっていたけど、
初めからもう壊れていたんじゃない…。


あたしは…
一生誰とも結婚しないだろう。
初めから壊れている玩具を欲しがるほど馬鹿じゃないもの。
母さん、教えてくれてありがとう。

さて、この家で、唯一本当に温かいお茶でも入れよう。
明日も会社だ。
早く寝なくちゃ。



●おわり●


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