「ワカメちゃん?ワカメちゃんじゃない?」
「は、花沢さん?!」
「やぁーだーっ!!やっぱりワカメちゃんだったのねーっ!!
 すーっかり大人びちゃってぇ!!磯野くん元気にしてる?
ねー時間あるのぉ!?ちょっと話ましょーよぉー!おごるから!!!」


花沢さんの勢いに押され、居酒屋に入ることになった。
こんなところに来るのは入社してから、
付き合いの「新入社員歓迎会」以来のことだ。
花沢さんは実家の不動産を継ぎ、仕事一筋の女副社長だという。


「えーーーーーーーーっ!?あのタラちゃんがぁーーー?!」
「…はい…、あたしも家族も…それ以来参っちゃって…」
「そぉ…全然知らなかったわぁ…。で、それっていつ頃よ?」
「…まだ、タラちゃんもリカちゃんも高校生の時でした…」
「こぉこぉせぇぇぇぇ?!
 やーねー、あたしの高校時代なんて、性行為なんて考えらんなかったわよー、
 ガッハッハ!!」
「あたし…あたし、…最低なんです…」


あたしは、聞き上手な花沢さんとお酒の勢いもあり、
ぽつぽつと愚痴り始めていた。


「そっかぁ…リカちゃんねぇ…。
 確かにあの子、嫌な噂が絶えなかったわね。
 あたしも店に来るお客さんに、よく聞かされたわ」
「!!…あのっ…それ……」
「んー、さぶちゃんに、甚六さん、中島君のお兄さんにおじいちゃん、
 他にもとにかく年上の人とよく寝てたって…、
 旦那と浮気してるんじゃ…ってご近所さんからよく相談されてたのよ。
 お金持ってる人としか寝ないとかって…そんな話だけどねー。
 よく子供おろしてたって産婦人科の奥さんからも聞いたわよ」
「………」
「だからさ、タラちゃんとはぁ、ちゃーんと恋愛出来たんじゃないの?」


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