あれから1週間、花沢さんはブログを開設した。毎日毎日さぶちゃんとのラブラブ日記を書いている
3時間会えないだけで寂しい…とかお世辞にも可愛いとは言えない自撮り画像を載せている。
脱喪した友人が一番やっかいってのは本当だったんだなあ…
今日は休日。独りで街へ出てみた。
高校のころよく通ったゲーセン。カップルが楽しそうにプリクラを撮っている
私なんて、プリクラはカオリとしか撮ったことがない。
聞き覚えのある声がした。
「タラちゃん!すごいよ1位だ!」
「まぁこんなもんです」
チェックのシャツをズボンに入れて足元にはリュックの2人組み。坊ちゃんカットとメガネのいかにもなその2人は
磯野くんの甥っ子タラちゃんと…磯野くんの親友の中島くん!?
「中島、早く両替してくるです」
「はーい…あ、…早川さん?」
「中島くん…とタラちゃん…」
ランキング画面には1位 TRO
「タラちゃん、すごいね!」
「…」
タラちゃんは無言で私を見てすぐ目をそらした。
「こんなとこで会うなんて奇遇だなあ。早川さん今大学行ってるんだよね」
「中島くんは…たしか…」
「おじいちゃんの言いなりで大学行ってたけどやめて今はフリーターだよ。ゲーム関係の仕事やりたくて」
アキバ系な見た目になっていた中島くん。だけど話し方は昔のままだった。
「そうなんだ…どうしてタラちゃんと…?」
「タラちゃんすごいゲームうまくてさ、ねっ」
タラちゃんは相変わらずゲーム画面に夢中だ。
「でもタラちゃんたしか今度高校受験じゃない?」
タラちゃんは無表情で言った。
「高校は私立に行くから勉強しなくていいです。ママとおじいちゃんから毎月3万ずつ貰ってるです。だから毎日ゲームしてるです。
カツオ兄からも1万もらうです」
私はあまりにも堂々としたタラちゃんに、何も言えなかった。
「早く両替してくるです!」
「わかったよ。早川さん、ごめんね」
人って変わるものだな。
みんなから可愛がられて育ったタラちゃんがこんなキモヲタになってしまうなんて…
中島くんもまるでタラちゃんの舎弟だし。
続き
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