「早川さん!さっきはごめん!」
ゲーセンを出ようとすると中島くんが追いかけてきた。
「タラちゃん変わったよね…驚いたでしょ(笑)」
「う、うん…まあね…」

なんとなく同じ方向へ歩き出した。
「磯野、内定もらった会社でもう働き始めてるってさ。
相変わらずタラちゃんには甘くて…小遣いはほどほどにって言ってるんだけどね」
「そうなんだ…」
「…磯野、カオリちゃんとより戻したって聞いた?」

やっぱりそうなんだ。もう磯野くんなんか好きではないはずなのに心が痛んだ。
「俺なんかフリーターだし彼女は出来ないし見た目もオタクだし」
中島くんは少し自虐的に笑った。
「でも目標があるからいいじゃない。私なんて大学4年間何してたのか…就職も決まらないし…死んだ方が…」

ヤバい。また卑屈になってる。

「ちょw生きろw」
中島くんは笑った。こんなに話しやすい人だったかな…
「じゃあ、おじいちゃんの世話しなきゃなんないからここで。またね」
静かに手をふり、中島くんと別れた。
カオリ、ワカメちゃん、花沢さん、磯野くん、タラちゃん、中島くん…
みんなそれぞれ変わってた。私だけ、何も変わってない
花沢さんやワカメちゃんみたいに思い切れないし、カオリの容姿もない
中島くんみたいに仕事にしたいほどの趣味もない。私ってなんなんだろう。
普通に恋して合コン行ったりナンパされたり、おしゃれしたり夢見つけて頑張ったり
そんな当たり前の人生が私にもあると思ってた。


雨が、降り出していた。


続き
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