押し入れの奥に封印した小学校の卒業アルバムを開いてみた。
まだ自分が喪女だなんて、思ってなかった頃…
いつも隣にはカオリ、その横には磯野くんたち。
花沢さんのおかげでブスキャラを逃れ、「おとなしく美人な早川さん」だった頃。

ちょっとでも優しくしてくれた男子の名字と、私の名前を脳内で合わせるのが癖だった。

みんな、今はリア充なんだろうな…

♪♪♪…
珍しく携帯が鳴った。花沢さんだ…

『早川さん!あたしもう死ぬ!もう生きてらんないわあああ!』
「は!?何言って…今どこ!」

急いで探しに行くと、家から5分の川の土手で花沢さんはわんわん泣いていた。
「さぶちゃんの携帯見たら…ワカメちゃんとメールしてたの…ワカメちゃんとのいかがわしい画像もあって
問いただしたら別れるって」
花沢さんはヒドい顔で泣いていた。
「…さぶちゃんはそういう人って有名だよ…花沢さん幸せそうだったから言えなくて…別れて正解だよ」
「何よ!あたしが振られたのがそんなに楽しいわけ!処女にはわかんないのよ!うわああああ」

顔を真っ赤にして石を投げてくる花沢さんはまるでゴリラだった。私は何も言えずその場を去った。
三河屋の前を通るとワカメちゃんが出てきた。
「あ、早川さん。花沢さんに言っておいてくれる?さぶちゃんがブスに本気になるわけないって」

恋愛って怖い。


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