線香花火をしながら、堀川は秋季大会に向けての練習や
部活が忙しく、夏休みの宿題が中々進まない事などを
ペラペラと話していた。ワカメは、それを黙って聞いていた。

「…どうしたの?今日は何か元気ないね。」
「…ごめんね。もう帰りたい…足が痛くて…。」

ワカメは立ち上がると、スタスタと歩きだした。

「え?ちょっと。ワカメちゃん?」

堀川は、慌てて花火の燃えカスを片付けて、追いかけてきた。
せっかく母さんが選んでくれた浴衣なのに…きっと似合ってないんだ。
堀川が浴衣について何も言ってくれない事よりも、
そちらの方が恥ずかしくてたまらなかった。早く帰って脱ぎたい。

「ワカメちゃん!ひとりじゃ危ないよ。
俺、自転車だし送って行くから。」



堀川の自転車の後ろに乗りながら、ワカメは不安だった。
どうしよう…きっと、堀川君怒ってるよね…一方的にイライラしちゃって。
堀川君は、何にも悪くないのに…悪いのはワガママな私なのに…。


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