もう家に帰ろうかしら
「ワカメちゃ〜ん」
突然名前を呼ばれて振り返るとドレス姿の熟女が手を振っていた 「あの…どなたですか…?」
「いや〜ねぇワカメちゃん、タイコよタイコ。まさか忘れちゃったの?」
これがあのタイコさん…?
私はタイコさんを上から下まで舐めるように観察する
茶髪の古臭いソバージュヘアー、厚塗りのファンデーション、濃い紫のアイシャドー、真っ赤な口紅
胸元に蝶の刺繍が施された派手な紫のドレスに紫のハイヒール
昔の面影は全くと言っていいほど無い
「どうしちゃったんですかタイコさんそのカッコ…。全然わからなかった…」
「私も色々あってね。今この近くでスナックをやってるのよ。
ワカメちゃんは昔と全然変わってないわね〜。すぐにわかっちゃった。
うちのイクラはすごく変わったわよ。喋り方も生意気になっちゃって。
まだ中学生のくせに女の子をとっかえひっかえしてるのよ。最近はほとんど家にも帰ってこないしほんとダメな子よ。
そういやもう三日ぐらいあの子の姿見てないわ」
タイコさんは深くため息をついた
「そーいえばイクラちゃん、今でもよくタラちゃんと遊んでるみたいです。
もしかしたら家に来てるかも知れない」
「そう。じゃあもしいたら帰るように伝えてくれる?
どうせ私の言うことなんて聞かないでしょうけどね。
あら、もうすぐお店開ける時間だわ。じゃあねワカメちゃん、頼んだわね」
タイコさんは小走りで去って行った
はぁ…めんどくさいこと頼まれちゃった
私イクラちゃん苦手なのよね…
ブスとかキモいとか平気で言ってくるんだもん
さっきの奴らみたいに
そりゃイクラちゃんは色白で細身で女よりも綺麗な顔をした美少年だけどさ
言っていいことと悪いことがあるわよ
「さてと、帰ろ」
私は早々に都会の街を後にした


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