「ねぇタラちゃん、あたし、実は…まだ…男性経験が一度もないの…。家族以外の男の人と話したことすらほとんどないわ。
姉さんの監視が厳しくてろくに遊びにもいけないんだもの…。
だから…その…タラちゃん、私を抱く気、ない?」
突然何を言い出すんでしょうかこの海藻は
「ないです。まったくない。有り得ないです。
だいたいワカメ姉さんは気が弱いんですよ。
あんな貝の監視なんて怖がらずに無視すればいいじゃないですか。
堂々と街へ繰り出せばいいじゃないですか。
昔は平気で人に下着を見せたりして大胆だったじゃないですか。
どうして今、その大胆さを発揮できないんですか。
このままじゃワカメ姉さんは一生処女ですよ。
男を知らないままエンドロールを迎えていいんですか」
僕はまくし立てるように言ってかじった林檎をワカメ姉さんに手渡しました
「タラちゃん…」
ワカメ姉さんは目に涙を浮かべています
「練習しといたほうがいいですよ。間接キスの。僕にできることはこれが精一杯です」
ワカメ姉さんは林檎を見て少し考えてから僕がかじった部分に口をつけました
「タラちゃん、私、なんだか今ならなんでもできそうな気がするわ。そうよね…姉さんなんかただの貝だと思えば怖くないわよね!」
そう言ってワカメ姉さんは意気揚々と台所から出て行きました
「何しとるんだタラヲ!!」
唐突に雷のような怒鳴り声がして振り向くと波平が鬼のような顔で立っていました
トレードマークだった頭の一本毛はすっかり無くなりわずかに残った毛は真っ白になっています
身体はガリガリに痩せ細り立っているのがやっとの状態です 「なんですかお祖父さん」
僕は目を合わせずに問いました
「なんですかじゃない!!サザエから話は聞いておるんじゃぞ! このところお前はたるんどる!!
毎日毎日夕飯も一緒に摂らんと何処をほっつきまわっとるんじゃ!
サザエやマスオくんがどれほどお前のことを気にかけてるかわからんのか!!
親不孝もたいがいにしなさい!!」
戯言はあの世に逝ってからほざいてください
僕はなんだか可笑しくなり笑ってしまいました
「まあまあ、お祖父さん落ち着いてください。
僕はただ毎晩色んな女の人とセックスをしているだけですよ。
今のうちからたくさん経験を積んでたほうがいいじゃないですか。
例えば公園で砂遊びをするのと街で女遊びをするのと、なにが違いますか。
昔の僕にとって公園で砂遊びすることは楽しいことでした。
だけど今の僕にとっては街で女遊びすることが楽しいことなんです。
砂遊びから女遊びへシフトしただけのことですよ。
それの何がいけないんですか。
大人が子供の楽しみを奪う権利はないでしょう」
波平はワナワナと震え返す言葉もない様子です


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