「カツオ兄さん、これからどうします?」
僕はカツオ兄さんの涙をハンカチで拭ってやりました
「どうするって…とりあえず警察に連絡しないと…。それからマスオ義兄さんにも…」
カツオ兄さんはヨタヨタと歩いて台所から出て行きます
「カツオ兄さん、ちょっと待ってください」
僕はカツオ兄さんの腕を掴みました
「どうしたんだい、タラちゃん」
カツオ兄さんが力の抜けた声で問います
「警察にも、父さんにも連絡しないほうがいいと思いますよ。
こんなこと、世間に知れたら困りませんか。父さんも会社に居づらくなるだろうし。
それに僕もカツオ兄さんも警察から疑われます。
長い時間拘束されて事情聴取されるのなんて僕はごめんですよ」
平静を装っていますが僕は内心焦っていました
「何言ってるんだよタラちゃん。じゃあどうしろって言うんだよ」
カツオ兄さんは少し怒ったように言いました
「僕、言っちゃいますよ。もし警察を呼んだら…カツオ兄さんは変人だって。
ホモだって喋りますよ。それからシャブやってることも…。知ってるんですよ。行為が気持ち良くなるようにやってるんでしょう?
僕はなんでもお見通しですよ」
カツオ兄さんの顔がみるみる曇っていきます
「わかったよ…。でも…この三人…どうすれば…」
「家ごと、焼き払いましょう」
僕はキッパリと言いました
「焼き払うって…あ、そういえばワカメは…」
「ワカメ姉さんならさっき出掛けましたよ。心配いりません。
とりあえずよく燃えるように三人に油をかけましょう」
僕は台所にあったサラダ油をドボドボと三人の体にかけていきます
「タラちゃんちょっと待って。部屋からお金と必要最低限のものだけは持って行かないと…」
何を馬鹿なことを言ってるんでしょうかこの魚は
「頭悪いですね。そんなもの持って行ったら僕らが放火したってバレるじゃないですか。
用意周到って感じじゃないですか。
いいですか。これはあくまで事故なんですよ。
近所の人が火災に気付いて消防車を呼んでくれるまで僕らもこの家の中に待機するんです。
一目散に逃げたりしたら疑われますからね」
カツオ兄さんは頷いて油まみれになった三人を見つめました


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