「さぁカツオ兄さん、グズグズしてる暇はありませんよ。ライターを持ってきてください」
その時です
玄関の呼び鈴がなりました
「タラちゃん…出た方がいいよね…?」
畜生
こんな時に何処のどいつでしょうか
「そうですね。お願いします」
僕はイライラしながら言いました
「タ〜ラ〜ヲ〜!!!」
玄関から聞き慣れた声が僕を呼びます
イクラです
「タラちゃん、呼んでるよ」
カツオ兄さんが困ったような顔で僕を見ました
「仕方ないですね」
僕は玄関に行き、戸を開けました
「よぉタラヲ。今からナンパしに行くんだけど一緒にどうよバブーなんつって」
イクラはEMPORIOARMANIの黒いスーツに身を包み、盛りに盛った茶髪を触りながら言いました
「悪いけど今取り込み中ですから」
「取り込み中ってなんだよ〜。お前のことだからなんかやべぇことでもやらかしたんか?」
イクラはこう言ったことだけは鋭いのです
僕は少し考えて口を開きました
「中、入ってください。何が起こったかその目で確かめてください」
イクラは表情を固くして真剣な表情で僕を見ます
「相当ヤバイことしやがったなお前」
そう言ってイクラは土足で家に上がりました
僕はイクラを台所に案内します
「タラちゃん!なんでイクラちゃんを…」
カツオ兄さんが驚いたように言いました
「大丈夫です。イクラは口外したりしません」
僕は遮るように言いました
横たわる三人を見てイクラはニヤニヤと笑います
「超エキサイティングじゃんお前。何、これで撃ったわけ。すげーじゃんよコレ。どこで入手したわけ?」
イクラはサザエの手に握らせた拳銃を取り、眺めながら問いました
「昨日の夜寝た女からもらったんです。ブラジル人の人妻です。 夫がアメリカからちょくちょく密輸してくるらしいです。
モシモノコト、アタトキノタメ、モッテオクトイイヨ
とか言って僕にくれたんですよ」
「お前国籍人妻関係なく女なら誰とでも寝るのな。尊敬するわ。 ところで今から何しようとしてたわけ。
まぁだいたいわかるけど」
イクラは頭がいい人間です
「今から家もろともこの三人を燃やします。
わかったらイクラは帰ってください。
部外者がいるとややこしくなりますから」
イクラは笑って頭をポリポリ掻きました
「ハイハイ、帰りますよ。この拳銃、貰ってっていい?」
「ダメです。元通り握らせておいてください」
僕はイクラを睨んで言います
「冗談だって、怒るなよ。でもさ〜せっかく来たんだから俺にもなんか手伝わせてよ」
「そうですね…。それじゃあ、適度に家が燃えてきたら消防車を呼んでもらえますか。
後で警察に聞かれたら偶然家の前を通り掛かったってことにして」
「わかった。じゃあ俺外で待機してるわ」
「近所の人に見られないところで待機してくださいよ」
イクラは手でOKサインを出して家から出て行きました
「タラちゃん…イクラちゃん、大丈夫かな…」
カツオ兄さんが不安げな表情で言います


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