「・・・・・・?」
目が覚めると、俺は見慣れない空間にいた。
まずベッドの上に寝ている時点で明らかに我が家ではない。
「気がついたかい、フグ田くん」
声のした方を向くと、バスローブ姿の穴子くんがこちらを見て微笑んでいた。
「ここ、は・・・?」
「ふふ、君にはあんまり縁のない場所だよね」
「―つぅ・・・・っ」
上半身を起こすと、軽く頭痛がし、俺は顔をしかめた。
ああ、そうか、会社帰りに穴子くんに誘われて酒を飲みすぎて・・・
「まったく、世話が焼けるなぁ」
「・・・ごめんよ、穴子くん。ちょっと気分が良かったものだから、つい飲みすぎて」
「今日の君は朝から様子が変だったよなぁ」
「そ、そうかい・・・?」
やっぱり、一人でにやけてるのを見られていたんだな、と思い、少し恥ずかしくなった。
「そうだよ。それに昼休み、突然思い立ったように用事があると言ってどこかへ行ったね。」
「まぁ・・・えへへ」
「どうも怪しいと思った僕は、あの時こっそり君のあとをつけてみたんだ。
ストーカーまがいの事をして申し訳ないが・・・」
「・・・・・え?」
穴子くんが、俺のあとを・・・つけた・・・?
あまりに唐突で、意味がわからなかった。いや、理解したくなかっただけかもしれない。
きょとんとしている俺を見て、穴子くんがにんまりと微笑んだ。
そして、手に持っていた携帯電話を開き、画面を俺に見せつけた。


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