「ここなら、誰もいないからね」
「・・・話って、なんだ?昨日の続きかい?」
「まぁ、同じようなことなんだが・・・」
穴子はスーツの中に隠し持っていたファイルを取り出した。
「ちょっと、これを見てくれ。こいつをどう思う?」
・・・すごく・・・変態です・・・・とか言ってる場合じゃなくて、
そこにはプリントアウトされた例の写真がはさまれていた。
それも一枚だけではない。満面の笑みでカバンから「羽」を取り出している俺、
「羽」に顔を押し付けている俺、「羽」の穴に腕を通している俺などの姿もあった。
あの時見せられた写真だけではなく、事の一部始終が収められていたわけだ。
「今日、僕に付き合ってくれるって約束してくれなかったら、明日これをばら撒くよ。」
穴子がいやらしく囁く。ぞっとする。
顔を引きつらせて固まっている俺の肩に、穴子が手をかけた。
取り払う元気は、もうなかった。
「べつにさ、僕は君に不幸になってほしいわけじゃないんだ・・・。
脅すような形ではあるが、最後は僕の腕の中で幸せになってほしいんだよ・・・」
その時点でもう不幸は始まっているんだよ・・・と突っ込みたい気持ちだが、
完全に穴子のペースに乗せられ、もはや俺は逆らう事が出来ない。
「・・・・わかったよ」


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