その夜、俺は穴子の言いなりになった。
穴子は「後悔させないぜ」などとほざいていたが、途中何度も吐きそうになった。
あまりの気持ち悪さに何mlの涙を流したかわからない。
OK・・・多くは語りたくないんだ。もうこれくらいにしてくれ。
このトラウマは、一生残るかもしれない。・・・・ガクガク・・・ガク・・・ガク・・・・
まぁ―その結果、穴子から俺の写真ファイルは返してもらえた。
正直、行為の最中はこんな思いをするくらいなら写真をばら撒かれても・・・とも思ったが、
やはり写真をばら撒かれる恐怖も耐え難い。
二日連続で夜中に帰るのはさすがにまずいので、比較的早く家に帰してもらえたが、
家に帰ってからも「マスオさん」スイッチを入れる気には到底なれなかった。
「あなた、お帰りなさい」
サザエが笑顔で出迎える。もう機嫌を直してくれたようだ。
しかし・・・
俺はただいまも言わず靴を脱いで家に上がり、サザエの横を通り過ぎて部屋に入った。
サザエに申し訳ない気持ちもあり、とても笑顔を作れるような余裕はなかった。
「あら、どうしたのマスオさん?」
サザエが後ろからついてきて、怪訝そうな声で尋ねる。
「・・・・何でも、ないんだ・・・」
俺はドサッと乱暴にカバンを置き(落としたという方が適切か)、ネクタイをゆるめながら、
できるだけ落ち着いた声を出して答えた。
「何でもないって、そんな・・・お弁当作らなかったこと怒ってるの?でもそれは」
「違う。そういう事じゃないんだ。サザエは何も悪くないよ」
悪いのは、全部俺なんだ・・・。
善人面して皆を騙していたけど、本当は変態ロリコンで、あろうことか義妹の下着を盗み、
その事が原因で挙句の果てに男性経験を持ってしまった。
俺は、元々汚い人間だったが、さらに汚れてしまったよ・・・。
「マスオさん・・・どう見ても様子が変よ。仕事で疲れたのね?ビール用意しておくから」
ビールなんて用意しなくていいよ・・・こんな旦那のために・・・・―
「サザエ・・・ちょっと、一人にしてくれないか」
「・・・わかりました」
サザエは心配そうな顔をしていたが、大人しく部屋を出て行ってくれた。


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