「ワ、ワカメえ・・・!まったく、ワカメまでどうしてすぐ僕を犯人だと決めつけるかなぁ」
「それが嫌なら自分の普段の行いを反省しなさい」
「そりゃ、僕は多少やんちゃな面はあるかもしれないけれど・・・でも今回のことは」
「まあまあ、カツオ君もこう言ってることだし、今回のことは、もう水に流すよ。
僕は誰が犯人だなんて、大切な家族を疑いたくないからね」
出た。お人よしの「マスオさん」。
その実体は、いい人のふりをして、自分に都合のいい方向へと事を運ぼうとする汚い俺。
「マスオさん・・・」
「さすが、マスオさんは人がいいねぇ」
「カツオ、せめていい人だと言いなさい」
ちょうどその時だ。
僕を恐怖のどん底に叩き落す、可愛らしい子供の声が響いたのは―
「わぁ、パパの写真がいっぱい出てきたですー・・・あ、でも何か・・・?」
―!―
甘かった・・・床に座って僕のカバンを開いているタラちゃんの存在を忘れていたとは!
「え?なんで?マスオさんの写真がどうかしたの?」
「あ、タラちゃん!サザエ!それは・・・っ」
遅かった。サザエはもうしゃがんで、タラちゃんの持っていた写真を覗き込んだ。
サザエの表情が一瞬にして凍りつく。
同時に、俺はへなへなと床に座り込んだ。
腰が抜けるとは、まさにこのことだ。
「え?何々?おもしろいのー?」
カツオ君も便乗している。ああ、もうどうにでもなれ―ジ・エンド―
「・・・・・」
サザエは無言で、その写真を素早くタラちゃんから奪い取った。
「マスオさん、あなた・・・これ・・は・・・」
顔を引きつらせ、異様なオーラを放ったサザエが、ゆっくりとこちらへ歩み寄ってきた。
「ご、誤解だよ・・・それ・・・は・・・・キャー!やめて!」
ガッシ!ボカッ!俺は死んだ。チャーン(笑)


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