―Anago side―

今日のフグ田くんはどうも様子が違う。
活き活きしていると思えば仕事ははかどってないようだし、何がおかしいのか
時折一人でにやけている。正直言ってちょっと気持ち悪い。
おまけに昼休み、突然用事があると言ってどこかへ行ってしまった。
こんなフグ田くんは今まで見たことがない。
尾行、というとやらしいが、ちょっと気になるのでこっそり後をつけてみようかと思う。

フグ田くんのあとをつけて辿り着いたのは、社内の一角にある寂れたトイレ。
人気のないところにある上に古くて汚いので、利用者はごく稀で、
せいぜい、大便の時に使うくらいだ。
さらに今は壊れていて使用禁止だから、本当に誰もいない。
カバンを持って行ったものだから、てっきり会社の外に出るのかと思ったのだが・・・。
ここで、フグ田くんは何をするつもりなのだろうか・・・人に見られてはいけない行為なのだろうか?
見ていいものなのか少し戸惑いつつ、僕は物陰に隠れて耳をすませていた。

「うひひひひひ」
?!―なんだ、今の不気味な笑い声は・・・!
フグ田くん、頭がどうかしたのか?何かにとり憑かれたとしか思えない。
まさか、あの真面目で穏やかなフグ田くんが、あんな気色悪い笑い声をあげるなんて・・・。


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