ついに友達まで失った。店を出るときに見たカオリの顔が頭から離れない。
フラフラと歩いていると、つい花沢不動産がある通りへ出てしまった

しまった!こっち通らないようにしてたのに…

「じゃあもう15年以上になるわけ〜?すごいじゃなーい。アタシ達が小学生の頃から実はラブラブだったなんてね〜」
花沢さんの声だ…ドアが開いているのか、丸聞こえだ。
「そう言えば昨日早川さんがね」

中島くん!何、何を花沢さんに話すの?

「勘違いだったら恥ずかしいけど、俺に好意持ってくれてたようなんだよね…
そしたらどう接したらいいかわかんなくなって…冷たくするわけにもいかないし。
友達以上に思って欲しくなくて、なんか無駄に優しくしちゃってたんだ。悪いことしたよ」

私は来た道を逆に走った。中島くん、ひどいよ。そんなの喪女なら勘違いするに決まってるじゃん
彼女居るんなら初めからそう言ってくれたらよかったのに、優しくしてくれなくてよかったのに。
コンビニの前のラックから大量に求人誌を持ち帰る。

私が携帯小説(笑)の登場人物なら、キャバでも始めてホストの彼氏との間に子供出来ちゃって。おろせって暴力受けて、でも独りで頑張るのとか言って
そんな展開が待っているんだろう。
でも私は見も心も喪女。そんな思い切ったことが出来るならとっくに脱喪してるさ
昼夜逆転になった生活が1週間、そして2週間続いた。

「ちょっと、あんたテレビ見てごらん。これ町内の事件じゃない」
『22歳会社員女性が路上でレイプ被害、犯人は現在も逃走中。
犯人の特徴はメガネをかけた20代後半〜30代前半の男。痩せ型で、横分けの髪型…』
「なにお母さん。私はレイプどころかナンパもされないって」

現場検証の映像が流れたとき、一瞬カオリが持っていた携帯電話が映った。
「今のケータイ…カオリの…!!」


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