じん六さんは磯野くん家のお隣さんらしい。そういえば小さい頃見かけた気がする。
何度も大学受験失敗を繰り返しているうちに落ちこぼれたらしく、
昔の「爽やかなお兄さん」というイメージからは遠く離れていた。

翌朝、帽子を目深にかぶったカオリが警察にやってきた。

「…実は…その…レイプなんてされてないの…。スタイルを維持するために公園でストレッチをしていたらあの人に声をかけられて…
小さい頃遊んだじゃないって何度もしつこく言われたけど覚えが無くて…それで怖くなって逃げたの」
「えっ?じゃあじん六さん…」
「携帯を公園に落としてきちゃって…ストーカーされたら怖いから家で寝込んでいたらママが心配しちゃって。
『最近犯罪が多いからまさか!』…って…。あとからじん六って名前を聞いてハッとしたわ。だって昔と全然違うんだもの
こんな騒ぎになっちゃって恥ずかしいわ…早川さんにも怖い思いさせちゃって」

カオリの勘違い…。ウワァ私じん六さんにひどいことした…

え、でも待てよ?じん六さん、いきなり暗闇で私に抱きついてきたじゃん。しかも顔を隠してた。
それは…言わない方がいいふいんきだな…

「じん六さん、あたし…勝手にごめんなさい」
釈放されたじん六さんにカオリが謝っている。するとじん六さんと目があった。
「あ…///」

ちょ、なんで赤面すんだよ、きめーな…。

「早川さん、今回は勘違いだったみたいだけど君の勇敢さには我々も驚いたよ。でも危ないから夜道を歩くときは彼氏でも連れてたほうがいいよ」
警察の方はワッハッハと笑い去っていった。

「カオリ、この前はひどいこと言っちゃってごめん。私どうにかしてた」
「ひどいことって?私は早川さん大好きよ、友達だもの」
カオリはエンジェルスマイルを振りまいた。

ふと、視線に気づく。じん六さんだ…
「はははは早川さん…き、綺麗に…なったよね///」
「早川さん帰ろう♪」
カオリは私の手を引いて警察署を出た。
あーあ、帰ったら、またバイトを探さなきゃ…

おわり


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