カオリと近くの公園で待ち合わせをした。
「大学の近くのカフェ久々に行かない?」
「カフェ…?行ったことないけど」
「やだぁ。あそこの学生ならデートとか待ち合わせとかで必ず使うお店じゃーん」
「いや、行ったことない…」

店に入ると、凝ったポップレトロな内装に目が行く。学生客が多いため、値段も良心的。
「隠れ家ってほど隠れてないけどね(笑)ここのシフォンケーキとローズヒップティがおいしいの♪」
「…でさ、なに?」

カオリはパールがついた薄ピンクのニットに白いタイトスカート、髪は下品すぎない明るめの色で丁寧に巻いてある。
そしてトレードマークの大きなリボン
私に会うだけの用事でここまできっちりおしゃれしてくるその姿勢は見習うべきなのか。

「穴子さんともよく来たなぁ…。大学のときはあたしはっちゃけすぎてたよね(笑)」
「穴子ってあのオヤジ?」
「オヤジなんて言わないで〜まだ30代よ。素敵な人だったわ。だから振られてもあたし全然落ち込んでないの」

そりゃ、毎月多額のおこづかい貰って、デートするだけでブランドバッグ買ってもらってたもんね。
ブランド品は裏切らない(笑)ってやつか。

「失恋…きっと早川さんのいい経験になるわよ。自分から動くことって何より大事だもの。あたしだって待ってるだけじゃ誰も寄って来ないわ」
「…カオリにはわかんないよ。いつだってみんなに囲まれてるんだから。自分の恋愛力自慢に来たの?」
「なに言ってるの?早川さんだって小学校のとき男子から人気だったじゃない」
「あれはカオリがいたからじゃん!私はいつだってカオリのおまけなんだよ」

長年溜め込んでいた本音がつい出てしまった。カオリは驚いた顔で私を見た。

「た、たしかにあたしは男の子に好かれやすいタイプって自覚してる…でも早川さんがおまけなんて有り得ないわよ」
「カオリに私の気持ちがわかってたまるかよ」

何もオーダーしなかったが、500円玉だけ置いて店を出た。


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