「させるかっ!」

フネは、算数ドリルをカツオ目掛けて投げた。

「ぎゃあああっ!」

大の苦手の算数を目の前に、カツオは弾け飛んだ。
そのまま、床に倒れこみ気を失った。サブに注文を伝えた後、カツオに向き直る。
カツオが目を覚まし、ゆっくりと起き上がった。

「くそっ、まさか算数ドリルが出てくるとはな。
 俺とした事が、油断していた。姑息な手段を使いやがって。」
「勝った者が正義と、さっきお前が言ったばかりだろう。」
「ふふふ…そうだったな。そちらがそのつもりなら、これならどうだ。」

家の外にはふいに暗雲が立ち込め、激しい雷雨が降り始めていた。
いつにない緊張感に、フネは思わず生唾を飲み込んだ。
カツオはまたもや、不敵な笑みを浮かべる。

「必殺!0点答案風神殺法!」
「カ、カツオ!またこんなにテストを隠していたんだねっ!」

カツオを中心に、無数の0点の答案が舞い上がり、フネを切り裂く刃となった。

「…今日は母さんの負けだね。」

0点の答案を隠れ蓑にし、カツオは確実にから揚げへと近づいて行く。
フネは目を閉じ、敵の気配を探る。

「そこだ!」

フネは、胡椒のビンを投げつけた。ボスッ!と何かが倒れる音がした。
ハラハラと、0点の答案が床に舞い落ちて行く。
たが、そこに現れたのは、くまのぬいぐるみだった。


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