「…俺…、俺、探す。探してくるよ。」
「イクラ、あなた、探すってマスオさんの居場所分かるの?」
「わかんねーよっ!!…けど…サザエおばさん…こんなことになっちまって…
ただ待ってたって仕方ねーだろ!」
「イクラ…」
「…イクラちゃん、いいの…いいのよ、もう…
もう…家は…家は元に戻らないもの!」
「……決めつけんなよ……決めつけて、諦めんなよ姉ちゃん!! 俺、嫌だから…。
俺、このまま諦めんの、ぜってー嫌だから」
「イクラちゃん!!」


イクラちゃんは廊下を駆け、病院を飛び出した。
イクラちゃんがそんな風に思っていたなんて…。
あたしは、いつも自分に夢とかなくて、
最初から諦めていたんだわ。
皮肉にもこんな時に気付くなんて…。
あたしは決めた。
元には戻らないかも知れない。
それどころか、もう修復できないくらい粉々にしてしまうかも知れない。
―――それでもいい。
全ての真実を明らかにすることを、あたしは決めたのだ。


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