「…じゃあ、また…。
 ーーーーーマジでなんかあったら電話してくださいよ。
 俺…頭ワリィけど、体力だけはあるから(笑)」
「…あり…ありがと…」
「…さっき……、さっき言ったの、マジだから…」
「…え?」
「明るいワカメ姉ちゃんが好き…だっ…たって…」
「…イクラちゃん…」
「だからぁ、“ちゃん”付けは勘弁してくださいっての〜(笑)」


イクラちゃんじゃない…。
あんな…あんな屈託のない笑顔を見せてくれる、イクラちゃんが…
イクラちゃんが、リカちゃんとだなんて…。


あたしはすっかり日の落ちた商店街をとぼとぼと歩いていた。
帰りたくない。
あんな家、もう帰りたくないよ…。
それでも、彼氏もいない、ましてや友達もいないあたしには
あの家しか、帰る場所はないのだった。


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