昼過ぎに現地に到着した。「ハハ…すごいな」
世田谷とは違う、だが懐かしい“海”の匂いがした。
浮江クンは黙っている。
朝からずっと気まずいままだ。
出張先の支社は海のすぐ側にあった。
「…二人だけなんだから、頑張ろう」
「…はい!」
海の風を受けた髪がなびいて、その美しさに思わず目を反らした。
「どうして…ですか?」
浮江クンが小さな声で言った。
「…?」
「いつも……て…くれない」風で良く聞こえない。
「なんだい?」
「…」
一瞬ボクの顔を見ると彼女は支社のビルに入って行ってしまった。
…涙を溜めていたように見えた…


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